君の声が、僕を呼ぶまで
山崎先輩の言い分は、理にかなっているような気もした。

だけど、それを肯定して、認めるわけにはいかない。

人を傷付けていいはずなんてないもの。

ましてや、その人の一番の痛みを掘り起こして、抉り直してまでした事を、正当化させるわけにはいかない。


「お前が目くじら立てなくったって、塚原先生は、ちゃんとお前の居場所をここに残しててくれたじゃないか。お前が戻って来るのを待っててくれたじゃないか」

「そうですよ、ただそこに小春が加わっただけで、小春は山崎先輩の居場所を奪おうだなんて思ってないです」


「何で仲良く出来ないんだ? 友達のありがたさ、お前なら分かるだろ? 一つの居場所を2人で共有する喜び、お前なら分かるだろ?」

2人で、山崎先輩に呼びかける。


「塚原先生は、お前と相川さん、2人とも同じように受け入れて…」

「違うもん!」


そこまでしらっとした顔で聞き流そうとしていた山崎先輩が、突然、冬島先輩の言葉を遮った。
< 261 / 389 >

この作品をシェア

pagetop