君の声が、僕を呼ぶまで
「植木さん!?」

最初に驚いたのは冬島先輩。


何が起こったか分からないという顔でワンテンポ遅れて、雪兄ぃが驚いている。

「桜子…?」


「雪兄ぃは、私に執着してるだけだよ! 空ちゃんに似ている私が、他の誰かを好きになったりして、離れていくのが気に食わないだけのワガママな子供なの! 私に空ちゃんを重ねてるだけなの!」

私は、あの日の雪兄ぃを思い出しながら言った。


「どうして、小春と華ちゃんを守ってあげないの? それが雪兄ぃの夢だったでしょ?」

雪兄ぃが、私が力任せに叩いて赤くなってきた頬に手を当て、目を見開いている。


「…ねぇ、雪兄ぃ。何で、カウンセラーの資格を持つ保健の先生になったのか、覚えてないの?」
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