君の声が、僕を呼ぶまで
●画面の世界を、越えてゆけ
山崎さんが、保健室通いから、本格的にクラスに復帰した。
僕は、山崎さんの書類関係やらを理由に保健室に行く機会が多かったけど、その大義名分もなくなりつつある。
保健室に近付く事も減った。
いや、近付く勇気がなかった。
あの日、泣いている相川さんを、追いかける事が出来なかった。
僕の耳にまで残っている、山崎さんの「気持ち悪い」の一言。
沙羅に何となく話を聞いたんだけど。
言葉を濁していたのは、きっと、僕の過去に気遣ってだ。
沙羅は、僕に負い目を感じている。
そりゃ、確かに傷付いてないといえば、嘘になるけど。
でも、沙羅の気持ちも分かってたから。
「次はどんな事をしてやろうか」
弱いと思う者を、見下した目。
「また苛められてるよ」
それを取り囲む、好奇の目。
「関わりたくないな」
遠巻きに傍観して、逸らす目。
僕は、山崎さんの書類関係やらを理由に保健室に行く機会が多かったけど、その大義名分もなくなりつつある。
保健室に近付く事も減った。
いや、近付く勇気がなかった。
あの日、泣いている相川さんを、追いかける事が出来なかった。
僕の耳にまで残っている、山崎さんの「気持ち悪い」の一言。
沙羅に何となく話を聞いたんだけど。
言葉を濁していたのは、きっと、僕の過去に気遣ってだ。
沙羅は、僕に負い目を感じている。
そりゃ、確かに傷付いてないといえば、嘘になるけど。
でも、沙羅の気持ちも分かってたから。
「次はどんな事をしてやろうか」
弱いと思う者を、見下した目。
「また苛められてるよ」
それを取り囲む、好奇の目。
「関わりたくないな」
遠巻きに傍観して、逸らす目。