君の声が、僕を呼ぶまで
何故、新入生のはずの彼女が保健室の場所を知っていたのか。

何故、保健の先生らしき男性が、彼女を名前で呼んでいたのか。


この疑問が真っ先に頭をよぎる…事はなかった。


相川小春…さん。


僕は、彼女の名前を、自分の心に刻み付ける作業に夢中だったからだ。




――ちなみに、冷静になって後から湧いてきたこの疑問に答えが出るには、少しの月日を要した。

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