君の声が、僕を呼ぶまで
●朝の世界と、夕陽の世界
「気を付けていってらっしゃい」
お母さんが言う。
「小春、頑張れ」
サラがほっぺにチュウをしながら言う。
「行こっか」
桜子ちゃんが言う。
毎朝、桜子ちゃんが家まで迎えに来てくれる。
「今日、1限目から体育かぁ。小春、体操服持ってきた?」
私は、体操服の入ったバッグを、桜子ちゃんに見せた。
「マラソンは得意?」
首を横に振る。
「同じだね」
桜子ちゃんは、ふふって笑った。
私も、少しだけ、下を向いて笑った。
一歩空けて、半歩前。
桜子ちゃんは、その距離を保って歩く。
「中間が終わったと思ったら、あっという間に期末が来そう」
んーっと伸びをしながら言う。
「あ、小春、見て。飛行機雲」
桜子ちゃんが指差す方の空を仰ぐ。
梅雨の合間の青い青い空に、一筋の白い飛行機雲。
「今日は夕焼けも綺麗だろうね」
桜子ちゃんがまた笑ったので、私もまた笑った。
今度は空を見上げながら。
お母さんが言う。
「小春、頑張れ」
サラがほっぺにチュウをしながら言う。
「行こっか」
桜子ちゃんが言う。
毎朝、桜子ちゃんが家まで迎えに来てくれる。
「今日、1限目から体育かぁ。小春、体操服持ってきた?」
私は、体操服の入ったバッグを、桜子ちゃんに見せた。
「マラソンは得意?」
首を横に振る。
「同じだね」
桜子ちゃんは、ふふって笑った。
私も、少しだけ、下を向いて笑った。
一歩空けて、半歩前。
桜子ちゃんは、その距離を保って歩く。
「中間が終わったと思ったら、あっという間に期末が来そう」
んーっと伸びをしながら言う。
「あ、小春、見て。飛行機雲」
桜子ちゃんが指差す方の空を仰ぐ。
梅雨の合間の青い青い空に、一筋の白い飛行機雲。
「今日は夕焼けも綺麗だろうね」
桜子ちゃんがまた笑ったので、私もまた笑った。
今度は空を見上げながら。