君の声が、僕を呼ぶまで
「小春、大丈夫?」

気付いたら、教室の前だった。


同じように登校してきた生徒達が、それぞれの教室に入って行く。

慌ただしく廊下を駆けている人達。

教室の窓越しに、話している人達。


それが、当たり前の風景。

私がここにいてもいなくても、毎朝繰り広げられているであろう光景。


誰も気にしていない。

今はまだ、それがいい。

でも、どうしたらいい?


教室のドアに手をかけたまま、グルグル回る、思考と世界。
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