君の声が、僕を呼ぶまで
どうしようかな。

学校中のあちこちから、部活動の声と音がする。


…何となく。

本当に何となくだったけど。

何となくで私は大冒険に出た。


朝、昇った時は、暗くて重たくてどこまでもゴールの見えないように感じた階段。

あっさりと昇れた。

誰もいない廊下。

人の気配がしない教室。


私は、自分の教室のドアに手をかけた。

朝、あんなに震えていたのに。

まるで、自分の家の玄関を開けるかのように、その扉を開く。


明日の日直が書かれた黒板。

少し乱れて並んでいる机。

壁に貼られたプリント。

誰かが忘れていったのかな、体操服のバッグがある。
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