君の声が、僕を呼ぶまで
「小春は、優しいんだよね。優しすぎるから、声を閉ざして、言葉と気持ちを閉じ込める方法でしか、自分も周りも守れずに」

優しさと強さが、誰でも綺麗に比例する世界なら、きっと小春は負けずに済んだ。


「僕はとっても弱かった。自分を苛める人間に脅えて、でも中途半端に逃げる事もしなくて、自分の居場所を失くす事で自分を周りから守ってたんだと思う」


誰かの気に障らないように。

誰かの視界に入らないように。


僕が喋ると、周りが「気持ち悪い」って言うかもしれないから。


僕に構わないでください。

僕を傷付けないでください。
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