君の声が、僕を呼ぶまで
「おはよう、小春」

お母さんが私に挨拶した後、

「サラも、おはよ」

と言う。

サラは、今日も、わざとお母さんには返事をしない。


私は、お母さんが焼いてくれたパンを食べる。

サラは、ミルクに浸して柔らかくなったパンを食べる。

お父さんが、新聞を読んでいる。


いつもと変わらない、私の朝。


「おはようございます」

桜子ちゃんが、今日も迎えに来てくれた。

「おはようございます」

桜子ちゃんの後ろにいた飯田君が、前に一歩出て言った。


…本当に、来た。
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