君の声が、僕を呼ぶまで
桜子ちゃんが初めて声をかけてくれたのは、中間テストが終わった日だった。

「小春ちゃん、頑張ったね」

って、雪人先生が、頭を撫でてくれて、すごく嬉しかった。


でも、急に桜子ちゃんが入ってきて、私はビックリしちゃって。

ドアのところで一歩退いてくれたんだけど、その1人分の通り道すら、私には怖かった。

雪人先生が、昇降口まで一緒に行こうかって言ってくれて、それで安心したし、嬉しかった。


邪魔されたって思うくらいに、他の人は怖くて嫌で、大好きな雪人先生でいっぱいだった私に、

「ずっと教室で待ってるから!」

って桜子ちゃんは声をかけてくれた。


その日の夜は雪人先生が褒めてくれたのが嬉しくて、【サクラ】と【アキ】に自慢した。


ふと、桜子ちゃんの事を思いだした。

>>【サラ】:あ、でもね、良かった事はそれだけじゃなくて…!


でも、話は流れてしまった。
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