君の声が、僕を呼ぶまで
私の世界のガードは、少しずつ、緩くなってきてたんだと思う。


それは、彼の時間と並行して進んでいた私の世界で、たくさんの人が私を支えてくれてたから。

その先で、彼と交わったのが、昨日というポイントだった。

それだけが理由だなんて、おかしいかもしれないけど。


でも、人と人が交わる事なんて、予め予定されている事の方がきっと少なくて、突然やってきて、拒絶して反発し合って終わるか、すれ違って終わるか、すんなり溶け込んでいくかで。


ただ、朝に桜子ちゃんと見た青空が、綺麗な夕焼け空になってたなぁとか、そんな事だったのかもしれない。

あの橙色が、飯田君にすごく似合ってるなぁって、それだけだったのかもしれない。


起こるべくして起こる事はある。

起こす意思がないと、起こらない事もある。


立ち上がるタイミングは、きっと今。

そういう事だと思う。
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