君の声が、僕を呼ぶまで
「まだ今日はお試しでって感じだったけど、これから徐々に慣れていけば、本当にクラスに戻れると思います」

桜子ちゃんが、私の代わりに補足してくれた。


「華も、何度も経験してきた。…皆からの視線。怖くて怖くて…」

華ちゃんの顔に、ふと陰りが差す。


「だから…小春っちも、すごく頑張ってるんだなぁって…」

顔を上げた華ちゃんの顔からさっきの陰りは消えて、遠慮がちだけど、はにかむように笑った。

ちょっとだけ、目が潤んでいるような気がする。

冬島先輩も、そんな華ちゃんを見て、肩の荷が下りたように笑った。


そうだ、私と華ちゃんは似ていたんだ。

表面上の見え方こそ違うものの、何かに脅えて、自分を守っていた事。

だから、目に見えて優しい雪人先生に、憧れの気持ちを抱いた事。


…それを、恋と錯覚した事。
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