君の声が、僕を呼ぶまで

●沙羅の罪を、拭う智秋

「智秋!」

「あ、沙羅」

「そっちのクラス、リレーの選手決まった?」

「うん、リレーはね。障害物競走がまだ…」

「うちのクラス、障害物は決まったんだー」

「え、すごいなぁ。障害物競走って一番人気ないと思うんだけど…」

「桜子と小春ちゃんが出るって」

「えぇ…!?」

「小春ちゃん、体力にあんまり自信がないから、でも障害物競走なら何とかなるんじゃないかって」

「なるほど、確かに…」

「桜子が一緒に出てフォローするって言ってたから、安心だね」

「あ、それは確かに心強い」

「あの2人、今までも一緒にいろんな事を乗り越えてきたし」

「そうだね…」

「でも、智秋の力が一番大きかったんじゃないかなぁ」

「えぇ!?そ、そんな事…」

「智秋も障害物競走に出たらいいじゃない。3人にピッタリだよ」

「…小春と桜子が出るなら、そうしようかな…」
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