君の声が、僕を呼ぶまで
「ふふっ、これで智秋は、2人の敵だね」

「あ…あー、そうじゃん!!」

「ねぇ、智秋、運動会では一緒に写真撮ろうね」

「ん? うん、いいけど、何で?」

「中学校の時は一緒に撮れなかったし、小学校の時のは…さ」

「…ごめん」

「えっ、何で智秋が謝るの?」

「冬島先輩と別れたって聞いた」

「…それは、私の弱さだから智秋のせいじゃないよ…」

「そもそも僕が苛められてたせいで、沙羅も巻き込んで…」

「そんな…私の方が謝ったって許して貰えないくらい…」

「そうだなぁ、確かに、簡単には許せない」

「…うん」

「だから、今度の運動会で写真撮ろう、皆で。それで許してあげる」

「…うん」

「あぁもう、沙羅、廊下で泣かないでよ。僕が泣かせちゃったみたいじゃないか!」

「……うん、ごめんね。本当にごめんね…」

「…うん、ありがとう、沙羅」

「……うん、ありがとう、智秋」
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