君の声が、僕を呼ぶまで
先生は、こっちを見ない。

書類に視線を落としたまま、私の気持ちの機微を、肌で見ている。


「改めて、今年度もよろしくお願いします。ま、変わらず、のんびりやっていこう」


見られていないと分かっていてもにやけてしまう顔を書類の束で隠しつつ、そのうちの一枚を先生に渡した。
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