君の声が、僕を呼ぶまで
「…あれ?」

相川さんの欠席届は、あくまで、このクラスの欠席届だ。

そのプリントに付随されている保健室への登校の有無に、丸が付いていない。

雪兄ぃ・・・塚倉先生の判子もない。


「たまにぬけてるんだよなぁ…」

仕方ない、部活に行く前に、保健室に寄ろう。


ラケットのバッグを肩にかけ、渡り廊下を歩く。

桜はほとんど散ってしまっていて、新緑も盛りを下り始める。
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