君の声が、僕を呼ぶまで
「お前、名前は?」

「田中信吾です…」

「よぉし、信吾な。お前の顔と名前はよーく覚えた」

「ひぃっ」

耐え切れずに、声を出して笑う新入部員達。

あぁ、この感じ、いいな。


「じゃ、それを踏まえて、次、そこの女子」

「…冬島先輩」

「よし、グッド」

「…ありがとうございます」

何というか、髪をキッチリ肩上で結んでいて、凛とした見た目通り、躊躇うことなく模範解答を言う子だな。

「やったね、桜子」

「うん」

ん、何だ、この2人は既に仲良しっぽい。

「じゃあ、その隣のヤツも」

「あ、はぁい!」


振り向いた時に、ふわりとポニーテールが揺れた。

小さな唇が、ゆっくりと動き出す。


「んーっと、陽太先輩、でいいですか?」
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