君の声が、僕を呼ぶまで
「次は、捻挫の方だな」

「え、陽太先輩、固定出来るんですか?」

床に着いた自分の膝の上に、沙羅の足を乗せる。


「んー、一応な。小学生の時からテニスやってたから、使う機会多かったし…」

「そうでしたね」


テーピングを手に取る。


「陽太先輩は何で、もっとテニスが強い高校に行かなかったんですか?」

「んー、ここが一番近かったし…」

「陽太先輩らしいですね」

「んー、そうかな…」

沙羅が笑う。


「そういえば、桜子も近いからって言ってましたよ。私は、自分の学力で行ける中から手堅いとこを選んだら、ここだったんですけど」

「へぇ…」
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