君の声が、僕を呼ぶまで
「そこそこな進学校なのに、簡単な理由で選んで受かってるんだから、やっぱり2人共凄いです!」

「んー、そうだね…」


自分でも、恐ろしいくらいに、空返事だと分かった。

沙羅の足首が、赤く腫れ始めている。


ここも、触ると痛がるんだろうな。

つつ…と、腫れているところの周りを撫でる。


「っ」


沙羅が、またビクッと身体を震わせた。


左手で沙羅の踵を包むように支え、筆でなぞるようにするすると、腫れていないところに右手の指を滑らせる。
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