君の声が、僕を呼ぶまで
「どっち…って…」

「まぁ、男でもあるんだけどね」


何か、いいね、またゾクゾクする。


制服から覗いている手足も、顔も、全てが沸騰しそうなくらいに真っ赤な桜子。

外の雨で冷やしてあげたら気持ち良いんだろうな。


でも、逃がしたくない。


涙目で俺を睨みあげる桜子。

それを笑って見下ろす俺。


静かな保健室に、窓ガラス一枚隔てた雨音だけが、やけに響いていた。
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