君の声が、僕を呼ぶまで

●【アキ】まで巡る、【サラ】を巡って

入学式に、中庭で見た、相川小春さん。

桜の花びらに埋もれて、消えてしまいそうだと思った。


今年は離れてしまったけど、去年クラスが同じだと知った時は、ソワソワと落ち着かなかったのを覚えている。

けれど、待てど暮らせど、彼女は教室に姿を現さない。


…やっぱりあれは、幻だったのかもしれない。

“そんな事ないよ、ワタシがその証拠”


その度に、塚原先生経由で相川さんに貰った、黒ネコ柄の絆創膏が語りかけてくる。
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