幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!

「今日はパパもおうちに帰るからな、葵」
「やったー。パパいっしょにねようね」

葵くんはお兄ちゃんから離れようとせずぎゅーッと首に抱きついて必死で何度も『あのね、あのね』と話している。
可愛いなあと見守っていたら、ついついと服の裾を摘ままれ瞳さんの方を振り向いた。
瞳さんはお兄ちゃんに気付かれないように苦笑いを浮かべている。

「ごめんね。大丈夫?」

こそこそと耳打ちされ、ようやく気付く。

そうだ。お兄ちゃんはラスボスだ。しかも今日は飛駒がご飯をごちそうしてくれるはず。

「で、電話してくる!」

「美結」
病室から飛び出そうとした私を、お兄ちゃんが笑顔で制止する。
「今、美結と飛駒が葵と瞳の面倒を見てくれてるんだってな」
「面倒じゃないよ。それに、あ、私、電話しなくちゃいけなくて」

「うんうん。飛駒にかな?」


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