幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!


「えっと、合コンって今日だったんですね」
「何を言ってるの。市井先生だって自転車じゃなくて徒歩で来たってことは、合コンの為でしょ。可愛いワンピースだし気合入ってるじゃん」

アイラインを塗り直しながら七村先生がにやりと笑う。
が、いくら私でも仕事終わりに合コンスタイルに着替える気はない。
今、その合コンスタイルで外に出たら保護者と出くわしたとき、気まずくないだろか。

「私は、幼馴染みと待ち合わせなんで」
「えー、幼馴染みにそんな可愛い格好して会うの? 本当は合コンに来るために気合いれてたんじゃないの」

肘で突かれ、このままだと勘違いされて連れて行かれてしまうかもと危惧し、ロッカーに鍵をかけると休憩室から飛び出す。

「えー、ちょっと市井先生、待ってよ。駅まで一緒に行こうよ」
「だから、本当に今日は――」
「合コンまでもう時間ないし、急いで走るよ」

七村先生の長い足に、速攻で追いつかれ平伏する。
裏口から出ながら、どう言い訳しようと頭を悩ませる。

「……合コンって何?」

車のドアが開く音と同時に、そんな不機嫌な声がして私と七村先生は声のする方を見た。


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