幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!
二、かけ離れた真実と思い出。
上手く逃げられたのに、そんな事があっていいのかと呆然とした。
ファミリーレストランで、葵くんとのんびりプリンパフェまで食べたのが良くなかった。
マンションに戻ると、中に灯りが見えて、恐る恐る中を覗くと葵くんの部屋が開いていた。
「ど、ドロボー!」
「こんなイケメンが泥棒なわけあるか」
「な、か、鍵は?」
「美結が逃げるから、姉貴に借りてきた」
飛駒は、ごそごそと何かコードを取りつけていた。
急いで葵くんが自分の部屋を覗くと、『おおおっ』と目を輝かせて叫んだ。
「どうしたの?」
「モニターを設置させてもらっただけ」
ひょういっと私も覗くと、20インチぐらいのテレビと50インチぐらいの大きなテレビが勉強机の上にドンっと置かれている。
こんな大きなテレビ設置して、本当に居座る気なんじゃって血の気が引いてきた。
「なにこれ」
「俺の病院の入院患者をこのモニターでチェックすんの。こっちの大型のほうで全体。こっちで単体、重症。こっちは体温モニターにも切り替わる」
「すごーいっわんわん、にゃんにゃんもいる!」
葵くんが釘つけになっているモニターには、包帯をお腹に巻いた犬や丸まって眠っている猫の姿があった。