幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!

幼稚園は明日はちょっと早く出て事情を伝えて、それから仕事場に行くとして……。
眠った葵くんを眺めながら、明日の朝の時間を逆算して気が遠くなる。

仕事場から近いという理由で、家賃もほぼなしのこのマンションに上がり込んだほど、私は朝は起きるのが苦手だ。
明日から頑張らねば。

本当だったら、一緒に手伝ってくれる人がいたら助かるんだけど、あいつはやっぱ嫌だな。

お兄ちゃんとは違う、なんだろう、はっきり線引きされた相手。

瞳さんは、幼馴染みとか、お姉ちゃんって言っても違和感が無いぐらい距離は近い。

のに、飛駒だけはちょっと違う。
家族とか兄弟とかってほど距離が近づかないまま意地悪されたから。

だから、いきなり今、ぐいぐい来られても戸惑うだけだった。
「……寝よう」

今日は私の部屋のシングルベッドに、葵くんとぎゅうぎゅうになって寝た。

明日から、甥ッ子の世話をしながらの生活。

本業が保育士なんだから、きっと大丈夫。

楽天的に考えながら、ゆっくりと目蓋を閉じた。

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