幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!
保育園で、私達の親はいつも保育時間ギリギリのお迎えだった。
たまに、幼馴染の飛駒の家に一緒に帰ることもあったけれど、ほんとうに極たまに。
しかも一緒に帰った日は必ず、飛駒にいじめられていた。
『おれのいもうとに、なにしてんだよ』
二つに結んでいた髪を、後ろから左右にぎゅーっと引っ張られ千切れるかと思って、怖くなって号泣した私に、駆け寄ってきたお兄ちゃんがそのいじめっ子を突き飛ばしながら格好いいセリフで守ってくれた。
『おれとあそばないからだろ!』
『いじわるなおまえとあそばせるか! いくぞ、みゆ』
お兄ちゃん達はいつも守ってくれて、徹底的にガードしてくれた。
思えば、この時ぐらいから、飛駒は睨みつけてくるようになった気がする。
一緒に楽しく遊んだ思い出なんて、片手で足りるぐらいの回数だ。
あんなじ意地悪しても一緒に遊ぼうとしてきた飛駒の気持ちはわからないし、それから睨みつけてきた飛駒の気持ちもわからないし、……こうやって一緒に住みたいとか言いだす飛駒の気持ちなんて、絶対に分かるはずもなかった。
「おはよう、美結」