幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!

落ちついて、できるだけ不安を与えさえないように。
けれど、四歳の頭の良い葵くんに嘘だけはついてはいけない。

子どもに嘘をついてはいけない、そう思って保育士をしながら子ども達に接してきたから。

「今ね、お腹の赤ちゃんが、葵くんやママに会いたくて出てこようとしてるんだけど、まだ身体が小さいから出てきたらダメなの。だからママは、お腹の赤ちゃんが大きくなるまで、赤ちゃんを刺激しないようにしないといけないの」

「だからにゅういん?」

「うん。葵くんに会いたいって興奮してるから、ちょっとだけ落ちつくまで入院だよ。でも死なないよ。大丈夫。葵くんも、ママ達に早く会いたくて今日みたいに、ママは入院したんだから」

「……ぼくといっしょ」

震えていた小さな体が、ぼわっと熱くなる。
葵くんの心に伝わっていったようだ。


「それに、早く生まれてもいいしね。ママの弟の飛駒お兄ちゃんとか、早産で三週間早く生まれたけど、今は超ビッグサイズでしょ?」

「――でかくて悪かったな」

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