幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!


「あさごはんにおばあちゃんにおにぎりつくってもらったんだよ」

両手にオニギリを持って葵くんが笑顔で飛び跳ねている。
「ごめんなさいね。おばあちゃんが退院できれば葵もこっちで面倒見れるんだけど」
「全然! 葵くんなら大歓迎です」

飛駒のお母さんは、元女医さんでしゃきしゃきして凛とした女性だ。
私まで何故か背筋がぴんとしてしまう。

「あら、飛駒は夜勤?」
「はい。急患みたいです」

葵くんがソファに座って朝の子供番組を見だしたのを確認してから、おばさんはにやりと笑った。

「瞳に聞いたわよ。誠さんがいない今のうちに、新婚ごっこしてるって?」
「新婚ごっこ!?」
「だって誠さん、すっごくブラコンじゃない。初めて携帯を貴方が持った時も一時間に一回はメールしてたし」
「そうですが、今は瞳さんだっているし」

パンをトースターに入れて、私も急いでお弁当を詰めていると、おばさんはまだにやにや笑っている。

「でも飛駒と一緒に住んでるって分かったら、誠さん仕事を放って帰ってきそうね」
「そんなこと」
「パパ、かえってくるよ」

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