幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!
「にいにっ」
「おー、特等席じゃん。元気でたか」
パッと葵くんも顔を上げて、嬉しそうに飛駒の方を向く。
「俺、ちょっと姉貴の様子聞いてくるから、待ってろ」
ポンポンと葵くんの頭を撫でると、ついでに私の頭も撫でた。
「会いたかった」
「は?」
「やっぱ変わらず、美結は美結だな」
「え、ちょっ 飛駒」
分けも分からないまま、病室へ入っていった。
突然何を言いだすかと思ったら、何なの?
会いたかったって、……いつでも会えたのに。
避けられてるかと思ってたし、苦手で避けてたのも本当だし。
「意味分からない」
「だいじょうぶ? おねえちゃん」
挙句、葵くんにまで心配されてしまった。
きっと私の余りにも挙動不審な様子に戸惑ったんだろう。
「あ、ありがとう。大丈夫だよ。それより、飛駒って夜勤じゃなかった?」
「うん。どうぶつのおせわと、きんきゅうのしゅじゅつっていってた」
子どもにそこまで詳しく説明してるんだ。ということは、今は獣医なんだ。
「……ふ、ふーん」
突然再会して、突然会いたかったとか言われて、私の胸は変にドキドキと高鳴っていて、私は頭の整理が出来ていなかった。