幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!
「本当に美結ちゃんと疑似結婚生活として一緒に住んでたの……? てっきり飛駒が我儘言って強引に押しかけてると思ってたわ。美結ちゃんが私に心配かけたくないから合わせてくれると思って」
やはり眉目秀麗だけでなく頭も切れる人だ。全くその通りだったのだけど、今の飛駒の顔を見て動揺している。
私はどう説明していいのやら、ちらりと葵くんを見た。葵くんの前でどれだけ話していい無い様なのか不安になったからなのだけれど……。
「ねー、まま、まーまー」
横でお利口に座っていた葵くんが、そっと何かを取り出した。
それは、通話中の携帯だった。
「葵、それ、どうしたの……?」
不思議がる瞳さんに、葵くんはにこっと笑った。
「ぱぱとスパイごっこ。ままとみゆおねえちゃんのまわりにわるものがいないか」
「お、お兄ちゃん!」
慌てて葵くんから携帯を奪うと、携帯の向こうは不気味なほど静かだった。
「葵くんを使って盗聴するなんて最低! ありえない!」
『おや、ひさしぶり。はやく美結にも会いたいな』
「誤魔化さないで。なんでこんなことしたのよ」
瞳さんに任せて、じりじりと葵くんから距離を取りながら話す。
すると途端にお兄ちゃんの声が低くなるのが分かった。
『瞳のご両親に体調を伺った時に、お前たちが二人で葵を見てくれてると小耳に挟んだので、事実確認だ』