【溺愛症候群】



 はっはっは。


 そう快活に笑う智を見ていたら、力が抜けた。

 やはり、智のむかつくほど潔い笑いに俺は弱い。

 諦めがついたり、まぁいいや、と思ってしまったりしてしまう。


 本当に弱いな、俺。


 諦めて罰ゲームのような出し物の準備を手伝う。

 手先が器用で、本当によかったと思った。

 結局智は不器用で頼りにならなかったから、細工は全部俺がした。


 自分が苦しむための準備を自分でするというのは、如何なものだろうと片隅で思いながら。




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