【溺愛症候群】

2-12 知らない、水色。




「うー、目ぇ疲れた」


 目が渇く。

 しぱしぱする。

 ついでに言うと、ピントが微妙にぼける。


「コンタクト外せば?」


 智が番号を書いた紙皿の上に、俺が先ほど細工したマシュマロを乗せている。


「誰のせいだ、誰の」


 目頭を押さえ、ぎゅーっと目を閉じて瞬きを繰り返すが、症状は一向に良くならない。

 本気で外そうか悩む。

 でも、眼鏡姿で人前に出るのに抵抗がある。


「無理は良くないぞ? まだ初心者なんだし、長時間つけてちゃ目に悪いし」




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