【溺愛症候群】
「でも……ハユくん2個やるんでしょ、交換しよ?」
「や、いいよ。気遣いありがと」
チィの申し出は即座に断らせてもらった。
好意は嬉しいが、あんなゲテモノを他人────しかも女の子に食べさせるなんて、末恐ろしくて出来ない。
泣くこと必至。
厄介ごとは他人にさせてはいけない。
「先に部屋戻るな」
「んー。集まってたら連絡して」
「了解」
よいしょ、と年寄じみた掛け声を心の中でして、座椅子から立ち上がった。