【溺愛症候群】
自分に意外とエスの気質があったことに驚いた。
自分はやるキャラ、と言うよりは、やられキャラという自覚があったから。
チョコペンで顔を描きながら、そんなことをつらつらと考えていた。
「ハユくん、コウちゃんが可愛いからってあんまり苛めないでよ?」
「苛めてはないよ? ほら出来たよ、チィ」
目を描き終わって、チィに完成したものを渡す。
出し物の打ち合せが終わって、あとの4人は帰ってしまった。
現在は、俺と智の部屋でチィと香田さんが出し物が始まる時間までいる、という図式だ。