【溺愛症候群】
「ありがと……ってハユくんうまっ!」
俺が暇つぶしに細工して渡したマシュマロを見て、チィがびっくりするくらい大きな声を出した。
先程マシュマロを罰ゲーム用に細工した際に余った材料と手近にあったハサミなどの道具で、マシュマロに手を加えて象を作ってみた。
マシュマロが無駄に大きいから出来る、暇人の暇人による暇つぶしだ。
「ハユは手先器用だかんなー。ロシルーのもハユがやってくれたし」
「智が出来ないから俺にやらせた、の間違いだろ」
「間違いない。もうそろそろ行くか」
智がケータイの時計を覗き込み、ベッドから体を起こす。
それぞれでロシアンルーレットの用意を持ち、部屋を後にした。