【溺愛症候群】
1-5 運のない、藤。
「あー……じゃあ、まず班長でも決めますか」
一番最初に自己紹介した男子が口火を切る。
誰か仕切る人がいた方がいいだろうと、皆が頷いて決めることにした。
公平に、ジャンケンで。
「さーいしょーはグーっ、ジャーンケーンぽんっ」
一応その男子の掛け声で皆が思い思いの手を出す。
こういう時というのは、何故か示し合わせたように一種類だけが多いときがある。
今回もまさにその例に洩れず、パーが半分以上を占めていた。