【溺愛症候群】
俺もその半分に入っていて、自分が平凡な人間だと認識させられる。
残りの人たちが上手い具合負けて、俺は一先ず班長からは逃れられた。
残りの人が再びジャンケンするのを、藤色の表紙の栞を読み流しながらのんびり見学させてもらった。
「ジャーンケーンぽんっ」
負け残った3人の掛け声で再び手が出される。
そうやって最後に残ったのは、不思議そうな顔で自分の出したチョキを見つめる智だった。
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