【溺愛症候群】



 そして、俺はと言うと。


「だよなぁ、やっぱ。ハユぅ、もちろん手伝ってくれるよな?」


 智の仕事を手伝って、副班長的立場にいるのが常である。


「はいはい、まずお前がやれるだけやってからな」


 これが、俺が智に出会ってからの役目。

 これも一種の運命共同体とでもいうのだろうか。

 あまり歓迎できない運命ではあるが、智が嫌いな奴じゃないからよしとする。


 嫌いな奴だったら、絶対に手伝ってなんかいない。

 というか、極力関わりもしないで静かにフェードアウトさせてもらう。

 後腐れなく、しこりも残らない縁の切り方だ。


 これが俺の処世術。


 フェードアウトは、今まで生きてきた中で一番よい方法だと思うし。




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