【溺愛症候群】



 口の内側の頬肉を加減して噛み、痛みで目を開け続けようと努力する。

 流石にシャーペンで手を刺すなんてことは、もうしない。


 それにしても、眠くて眠くてたまらない。

 何でもいいから手を動かしていないと、意識がふっ飛びそうだ。


 大きな欠伸が出て、目が潤む。

 乾き気味のコンタクトが潤んで、丁度いいかも。


 シャカ、シャカ、と眠い時によく聞いた音がする。


 智と反対側の、通路を挟んだ隣の机を見ると、俺が眠い時愛用していたタブレットが見えた。




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