小倉ひとつ。
何か飲むか食べるかしておいてもらえれば、こちらも急がずにのんびり行ける。
慌てずゆっくり行きますのでご心配なさらず、という意味も込めて送ったのだけれど、瀧川さんのこのお返事を見るに、ちゃんと伝わったらしかった。
瀧川さんがもう着いたからといってこちらもあんまり早く行くと、瀧川さんに急かされたみたいになってしまう。そうしたら瀧川さんも気まずい。
少し早歩きにして、二、三分前に着くくらいで大丈夫だろう。
GPSをオンにした地図アプリに頼りながら角をいくつか曲がると、添付してもらったURLに大きく掲載されていた店名が見えた。
黒い外装におしゃれな飾り文字で浮かんだ、真っ白な店名を何度か確認する。
よし、あそこで間違いない。
黒い壁を大きくくり抜いた窓から、中の様子が見えた。
少しオレンジがかった、あたたかみのある照明が、洗練された雰囲気の内装を照らしている。
低い階段をトントントンと五段上って、もう一度足元の看板にある店名を確認。
そっと深呼吸をしてから、鈍い金の取っ手がついた少し重い黒い扉を開く。
「いらっしゃいませ」
黒と白の制服を着た店員さんが、すっと近づいてきて、綺麗に一礼した。
慌てずゆっくり行きますのでご心配なさらず、という意味も込めて送ったのだけれど、瀧川さんのこのお返事を見るに、ちゃんと伝わったらしかった。
瀧川さんがもう着いたからといってこちらもあんまり早く行くと、瀧川さんに急かされたみたいになってしまう。そうしたら瀧川さんも気まずい。
少し早歩きにして、二、三分前に着くくらいで大丈夫だろう。
GPSをオンにした地図アプリに頼りながら角をいくつか曲がると、添付してもらったURLに大きく掲載されていた店名が見えた。
黒い外装におしゃれな飾り文字で浮かんだ、真っ白な店名を何度か確認する。
よし、あそこで間違いない。
黒い壁を大きくくり抜いた窓から、中の様子が見えた。
少しオレンジがかった、あたたかみのある照明が、洗練された雰囲気の内装を照らしている。
低い階段をトントントンと五段上って、もう一度足元の看板にある店名を確認。
そっと深呼吸をしてから、鈍い金の取っ手がついた少し重い黒い扉を開く。
「いらっしゃいませ」
黒と白の制服を着た店員さんが、すっと近づいてきて、綺麗に一礼した。