小倉ひとつ。
頭の中で教えていただいた材料を全部ふたつぶんの分量に割って、先にメモを取ってもらった。それから、粉類をふるっておく。


……いやもうほんと、瀧川さん、絶対お料理好きでしょう。


一人暮らしの方のおうちに、目の大きさが違うふるいが二種類あるってどういうことなの。


まさかのパンとか麺とか作るんだろうか。お菓子作り好きなのかな。


なんて瀧川さんのお料理歴に思いを馳せつつ、ふたりで薄力粉とベーキングパウダーを分担してふるっておいた。

お隣でざかざかふるう瀧川さんは、やっぱり手際がいい。


「これでよろしいですか」

「大丈夫です。ありがとうございます。冷蔵庫にしまいましょう」


粉類をボウルに入れてざっくり混ぜ合わせたら、ラップをふわっとかけてすぐに冷蔵庫にしまう。


「材料はできるだけ冷やしておいてください。混ぜる直前までは冷蔵庫に入れておくといいと思います」


冷えているか冷えていないかで、サクサク度合いが違うのだ。


「お菓子もそうですよね」と頷かれたけれど、やっぱりお菓子作るんですね瀧川さん。そうですよね。


それから、たい焼きも多分一般にはお菓子の分類だと思います。

……ほんとにご飯みたいにたい焼きを食べてるんだなあ。
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