小倉ひとつ。
冷やしておいた新しいボウルをもう一度洗ってしっかり拭いてから、卵を割り入れ、お砂糖と少しの蜂蜜を入れて、泡だて器でさくさく混ぜる。


一度洗い直すのは、衛生管理上稲やさんでそう決めているだけ。


だから特別な意味はないそうなんだけれど、なんだかその方が美味しく焼けそうな気がして、私もいつも洗い直すことにしている。


「蜂蜜入れるんですね」

「ええ。あんこの甘さによってお好みで調整してください」


本当は全部蜂蜜でもいいんだけれど、そうすると生地に粘りが出てしまって混ぜにくいのだ。


私の不器用度に合わせて稲中さんが調整してくださった、ありがたーい分量だった。

不器用ですみません。お手数おかけしました……。


さっきちらっと確認したあんこは、有名な市販のあんこだった。私も食べたことがある。


この分量は、稲中さんが「市販のあんこなら、お砂糖はこのくらいだよ」と考えてくださった分量だ。


あんまりあんこの甘さを気にしないで、教えていただいた通りに入れておく。


多少甘くっても、私は甘いものが好きだから問題ない。瀧川さんもたい焼きなら甘くても大丈夫。


自分で微調整なんて難しいこと、私には手に余る。

参考値を決めていただいてよかった。稲中さん、本当にありがとうございます。
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