小倉ひとつ。
こちらもよく冷えた牛乳とお水を入れて混ぜ合わせたら、ふるった粉類を冷蔵庫から取り出して、何回かに分けて入れる。


私は大体三回にするとダマにならない。慎重に混ぜつつ、三回に分けた。


粘りが出ると生地が膨らんでしまって美味しくないので、練らないように気をつけながら混ぜて、最後にサラダ油を落としてまた混ぜる。


一度にやろうとするとすぐダマになるのは、経験上よーく分かっている。

ひとつの材料ごとに、ひとつひとつゆっくり入れて、その都度しっかり混ぜるのがコツ。


瀧川さんにも「少しずつ入れて、練らないように混ぜてください」と解説しておいた。


全部混ぜたところで、ボウルにふわっとラップをして冷蔵庫に入れ、一時間ほど休ませる。


これで生地は終わり。今のところ順調だ。


休ませる間に片付けをして、洗い物を済ませておいた。それでもまだまだ時間が余っている。


「どうしましょうか」

「そうですね、ええと、さっきは材料しか説明できなかったので、待っている間に手順を説明しましょうか」

「よろしくお願いします」


メモ帳のページをめくった瀧川さんに、コツや注意点をところどころ挟みながら、ゆっくり手順を説明していく。


瀧川さんの字は少し右上がりだけれど、相変わらず読みやすい。


全て書き終わった頃には、残り十分程度になっていた。
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