小倉ひとつ。
「まずは頭の方に生地をゆっくり入れます。なるべく低い位置から落としてください」


これも本当なら綺麗に生地を入れるための器具があるのだけれど、割愛割愛。大きめのおたまで掬う。


「斜めに傾けてしっぽにも流したら、生地が固まる前にあんこを真ん中にのせます」


斜めに傾けている間にある程度火が通るので、あんこが沈んだり、たい焼きの表面にあんこが見えたりはしない。あんまり多いとそうなることもあるけれど。


逆に、焼きすぎると生地が膨らんであんこがのせられなくなるので、しっぽまできちんと流したら、すぐあんこをのせて大丈夫。


よし、あんこいい感じ。

あんこはたっぷり入れたほうが生焼けになりにくいので、あまり節約しない方がいい。


初めてだから少なめにしてもいいけれど、どうせならたくさんあんこが詰まっているたい焼きの方が美味しい。


ひとまず私はたっぷり入れてみようと思って結構多めに見積もったんだけれど、ちょうどよさそうだ。


「反対も同じです。すぐにふたをしてひっくり返してください」


ふたにする方の型にも同じように生地を落として、斜めに傾けてしっぽに流す。


すぐ固まるから、薄く素早くやるのが肝心。


流したら手早くさっとふたを閉じて生地をくっつけて、上下逆さまにする。あんこをのせた方の生地が上に来る向き。


……よし、ズレなかった! 体面は保った……!
< 193 / 420 >

この作品をシェア

pagetop