小倉ひとつ。
私の問いかけに瞬きをすると、瀧川さんはその静かな表情のまま、よく分からないことを言った。
「……昼食です」
「え!?」
昼食。今、昼食と言ったか、この人は。
「炭水化物ばっかりじゃないですか!」
「抹茶も飲みます」
確かにいつも抹茶ラテを持ち込んでいるけれど。でも……!
「野菜は……!」
ひとつだなんてそんな少量ではお腹がすきそうだし、抹茶ラテもたい焼きもどう考えても甘いものに分類されるし、てっきりおやつだとばかり思っていた私は、予想外の偏った食事にあんまり心配になって、思わずお節介な質問を投げた。
「……たまにはサラダも食べます」
「えええ、でも、お体に障りますよ」
サラダは毎日食べましょうよ、というかちゃんとお昼食べましょうよ。
お仕事があるんだから、多分、起きるのが遅いために、朝ご飯がお昼ご飯とほとんど同じ時間になるわけではないと思う。
瀧川さんはギリギリに起きるようなお人柄ではない。
朝ご飯をしっかりがっつり食べてお腹がすいていないなら別だけれど、それなら瀧川さんは「たまにはサラダも食べます」じゃなくて、「朝食が近いので」とか「朝食を多めに摂ったので」とか言うだろう。
……いや、うん。
駄目ですよたい焼きだけとか。体壊しちゃう。
言いはしなかったけれど、顔に出てしまっていたのだろう。
瀧川さんは、その穏やかな眼差しに棘をのせて私を見遣った。
「……あなたには。あなたには、関係のないことです」
「……昼食です」
「え!?」
昼食。今、昼食と言ったか、この人は。
「炭水化物ばっかりじゃないですか!」
「抹茶も飲みます」
確かにいつも抹茶ラテを持ち込んでいるけれど。でも……!
「野菜は……!」
ひとつだなんてそんな少量ではお腹がすきそうだし、抹茶ラテもたい焼きもどう考えても甘いものに分類されるし、てっきりおやつだとばかり思っていた私は、予想外の偏った食事にあんまり心配になって、思わずお節介な質問を投げた。
「……たまにはサラダも食べます」
「えええ、でも、お体に障りますよ」
サラダは毎日食べましょうよ、というかちゃんとお昼食べましょうよ。
お仕事があるんだから、多分、起きるのが遅いために、朝ご飯がお昼ご飯とほとんど同じ時間になるわけではないと思う。
瀧川さんはギリギリに起きるようなお人柄ではない。
朝ご飯をしっかりがっつり食べてお腹がすいていないなら別だけれど、それなら瀧川さんは「たまにはサラダも食べます」じゃなくて、「朝食が近いので」とか「朝食を多めに摂ったので」とか言うだろう。
……いや、うん。
駄目ですよたい焼きだけとか。体壊しちゃう。
言いはしなかったけれど、顔に出てしまっていたのだろう。
瀧川さんは、その穏やかな眼差しに棘をのせて私を見遣った。
「……あなたには。あなたには、関係のないことです」