小倉ひとつ。
分かりやすいように、待ち合わせは改札口前。瀧川さんにもそう連絡を入れてある。
暖かい格好をしてきたつもりだったけれど、やっぱり寒いなあ。
駅中でも人の出入りが多いからか、空気が外とほとんど同じくらいの冷たさをしていて、身を切るような鋭い寒さ。
丸まりそうな背中を意識して伸ばしていると、通知音が鳴った。
『ご連絡ありがとうございます。こちらも今到着しました。改札口に向かいますね』
了解しました、お待ちしておりますって返事をして、流れ始めた人波を見つめる。
何度か波を見送って、遠くに瀧川さんを見つけた。
会釈すると、瀧川さんもこちらに気づいたらしい。微笑みとともに会釈を返してくれた。
「こんにちは。お待たせしてすみません」
「こんにちは。いえ、そんな。全然お待ちしてないですよ」
大丈夫です、と笑いながら近づく。
見る限り、瀧川さんは今日もやっぱり腕時計を着けていない。
私も腕時計とアクセサリーをつけていない。
髪は編み込みとシニヨンで崩れないようにまとめた。
私の不器用さでは時間がかかってしまうけれど、背筋が伸びるような厳格な門構えのお店だから、ぴしっとしたかった。
時間に確実な余裕を持って起きたら、朝早く起きすぎて一時間くらいのんびりすることになったけれど。
暖かい格好をしてきたつもりだったけれど、やっぱり寒いなあ。
駅中でも人の出入りが多いからか、空気が外とほとんど同じくらいの冷たさをしていて、身を切るような鋭い寒さ。
丸まりそうな背中を意識して伸ばしていると、通知音が鳴った。
『ご連絡ありがとうございます。こちらも今到着しました。改札口に向かいますね』
了解しました、お待ちしておりますって返事をして、流れ始めた人波を見つめる。
何度か波を見送って、遠くに瀧川さんを見つけた。
会釈すると、瀧川さんもこちらに気づいたらしい。微笑みとともに会釈を返してくれた。
「こんにちは。お待たせしてすみません」
「こんにちは。いえ、そんな。全然お待ちしてないですよ」
大丈夫です、と笑いながら近づく。
見る限り、瀧川さんは今日もやっぱり腕時計を着けていない。
私も腕時計とアクセサリーをつけていない。
髪は編み込みとシニヨンで崩れないようにまとめた。
私の不器用さでは時間がかかってしまうけれど、背筋が伸びるような厳格な門構えのお店だから、ぴしっとしたかった。
時間に確実な余裕を持って起きたら、朝早く起きすぎて一時間くらいのんびりすることになったけれど。