小倉ひとつ。
本当はもう少し絞れる。イタリアンとか。
でも、本当に基本的にはなんでも大丈夫だから、私の好みを優先するよりは、共通項を広くとって、そこからお互いに遠慮しすぎない範囲でメニューを決めたかったんです……。
ひとまずお互い料理名を三つ四つ挙げていって、その中からアクアパッツァを作ることになった。
ムール貝は瀧川さんにお取り寄せをお願いした。
瀧川さんのお部屋にお邪魔して作るわけだから、始めから瀧川さんのところに届くように注文してしまった方が持ち運びが少ない。
いつも準備を任せきりで申し訳ないので、今度こそ片付けとか洗い物とか頑張りたい。
ああ、そういえば。
ぐっとメニューの幅が狭くなるからか、先ほどは挙げていらっしゃらなかったけれど。
「瀧川さん、ベシャメルソースお好きでしたよね? またたい焼きとは別のものが食べたくなったら、今度はシチューもいいかもしれませんね」
最近すっかり常連になって通い詰めているカフェで、初めてご一緒したときにベシャメルソースがお好きだっておっしゃっていたはず。
思い出して見上げたら、瀧川さんは少し驚いて、それからゆっくり微笑んだ。
「ええ、是非。今度はシチューにしましょうか。再来週はご都合いかがですか」
「来週末には確定すると思います。またお邪魔するときまでに予定を確認しておきますね」
「よろしくお願いします」
後で気づいた。
冗談や軽口ではなく私から作りたいものを相談するのは、瀧川さんのお家にお邪魔するようになって、初めてのことだった。
でも、本当に基本的にはなんでも大丈夫だから、私の好みを優先するよりは、共通項を広くとって、そこからお互いに遠慮しすぎない範囲でメニューを決めたかったんです……。
ひとまずお互い料理名を三つ四つ挙げていって、その中からアクアパッツァを作ることになった。
ムール貝は瀧川さんにお取り寄せをお願いした。
瀧川さんのお部屋にお邪魔して作るわけだから、始めから瀧川さんのところに届くように注文してしまった方が持ち運びが少ない。
いつも準備を任せきりで申し訳ないので、今度こそ片付けとか洗い物とか頑張りたい。
ああ、そういえば。
ぐっとメニューの幅が狭くなるからか、先ほどは挙げていらっしゃらなかったけれど。
「瀧川さん、ベシャメルソースお好きでしたよね? またたい焼きとは別のものが食べたくなったら、今度はシチューもいいかもしれませんね」
最近すっかり常連になって通い詰めているカフェで、初めてご一緒したときにベシャメルソースがお好きだっておっしゃっていたはず。
思い出して見上げたら、瀧川さんは少し驚いて、それからゆっくり微笑んだ。
「ええ、是非。今度はシチューにしましょうか。再来週はご都合いかがですか」
「来週末には確定すると思います。またお邪魔するときまでに予定を確認しておきますね」
「よろしくお願いします」
後で気づいた。
冗談や軽口ではなく私から作りたいものを相談するのは、瀧川さんのお家にお邪魔するようになって、初めてのことだった。