小倉ひとつ。
卒業式が終わって、予想通り倒れるように眠った翌日のお昼頃、電話がかかってきた。
えっ瀧川さん!?
表示されるとは思っていなかった文字列に、スマホを両手で握りしめて出る。
「お、お電話ありがとうございます、立花です」
完全に稲やさんでの受付みたいな受け答えになった。
稲やさんでは、お電話ありがとうございます、稲やの立花でございます、が基本である。
『突然ご連絡差し上げてすみません、瀧川です。こんにちは、立花さん』
「こ、こんにちは」
挨拶で一呼吸置いてくれたのは、電話越しにあんまり慌てている私を慮ってだろう。
電話の向こうで笑われている気がする。
でも、瀧川さんは余計なことは言わなかった。笑い声も含まれなかった。
しばらくお時間よろしいでしょうか、と静かに聞かれたので、はい、と頷く。
瀧川さんとのお電話によろしくない時間などない。
お仕事と約束事以外は全てを放り出して受ける所存である。
ただいまお時間よろしいでしょうか、じゃないことが、無性に嬉しい。
たくさんお話できるってことだもんね。
ああ、この間のんびりするって言ったから、お電話お昼にしてくださったのかな。
もちろん今日はあいているけれど、なんだろう。
そんな疑問は、すぐに解決した。
えっ瀧川さん!?
表示されるとは思っていなかった文字列に、スマホを両手で握りしめて出る。
「お、お電話ありがとうございます、立花です」
完全に稲やさんでの受付みたいな受け答えになった。
稲やさんでは、お電話ありがとうございます、稲やの立花でございます、が基本である。
『突然ご連絡差し上げてすみません、瀧川です。こんにちは、立花さん』
「こ、こんにちは」
挨拶で一呼吸置いてくれたのは、電話越しにあんまり慌てている私を慮ってだろう。
電話の向こうで笑われている気がする。
でも、瀧川さんは余計なことは言わなかった。笑い声も含まれなかった。
しばらくお時間よろしいでしょうか、と静かに聞かれたので、はい、と頷く。
瀧川さんとのお電話によろしくない時間などない。
お仕事と約束事以外は全てを放り出して受ける所存である。
ただいまお時間よろしいでしょうか、じゃないことが、無性に嬉しい。
たくさんお話できるってことだもんね。
ああ、この間のんびりするって言ったから、お電話お昼にしてくださったのかな。
もちろん今日はあいているけれど、なんだろう。
そんな疑問は、すぐに解決した。