小倉ひとつ。
恋をしている自分に気づかなかったときが、きっと誰しもあると思う。
懐かしさと苦しさと甘さと苦さと、いろいろな感慨が混ざる感覚も、きっと誰しもあると思う。
私は瀧川さんのことが、気づいたら好きだった。
ああ好きだ、と唐突に気づいて、振り返ったら随分前から好きだった。
気づく前も、気づいてからも、毎日があっという間だった。
好きだなあと思っているうちに一年が過ぎて、二年が過ぎて、十年過ぎて。
今はもう、ふたりとも大人になった。
でも私はまだ初恋を終わらせられずに、大事に抱えて潜めている。
相手を嫌って終わる恋は、きっと簡単ではないけれど、嫌いだ、嫌いだ、と一方向の感情で統一されているからまだ終わらせやすい。
自分の中で区切りをつけるのも早い場合が多いだろう。
……相手を好きなまま終わらせなければならない恋は、きっともっと難しい。
私のように対象外だとか諦めなければいけない何かがあって、諦めようと努力してもうまくいかなくて。
好きだ、でも駄目なんだ、って感情の向きが定まらない。
好きだからこそ理由づけも難しくて、終わりを見つけるには時間がかかるのだろうと思う。
子どもだからって言い訳は、私にはもう使えない。
この恋をどうしてやることもできないまま、秘めているしか、ないのだろう。
懐かしさと苦しさと甘さと苦さと、いろいろな感慨が混ざる感覚も、きっと誰しもあると思う。
私は瀧川さんのことが、気づいたら好きだった。
ああ好きだ、と唐突に気づいて、振り返ったら随分前から好きだった。
気づく前も、気づいてからも、毎日があっという間だった。
好きだなあと思っているうちに一年が過ぎて、二年が過ぎて、十年過ぎて。
今はもう、ふたりとも大人になった。
でも私はまだ初恋を終わらせられずに、大事に抱えて潜めている。
相手を嫌って終わる恋は、きっと簡単ではないけれど、嫌いだ、嫌いだ、と一方向の感情で統一されているからまだ終わらせやすい。
自分の中で区切りをつけるのも早い場合が多いだろう。
……相手を好きなまま終わらせなければならない恋は、きっともっと難しい。
私のように対象外だとか諦めなければいけない何かがあって、諦めようと努力してもうまくいかなくて。
好きだ、でも駄目なんだ、って感情の向きが定まらない。
好きだからこそ理由づけも難しくて、終わりを見つけるには時間がかかるのだろうと思う。
子どもだからって言い訳は、私にはもう使えない。
この恋をどうしてやることもできないまま、秘めているしか、ないのだろう。