小倉ひとつ。
瀧川さんはとても上品な方だ。


言葉遣いも仕草も、ペンを持つ指先、微笑み一つさえ、どこか品がある。


いつも「ありがとうございます」っていろいろにお礼をしてくださるのは、聡いのは、そう気配りをしてくれているからだ。


自分がしない気配りのときで、相手がしてくれた気遣いにうまく気づけなかった経験は、誰にでも身に覚えがあると思う。


自然と身につけたというのもあるのだろうけれど、どちらかといえば、できるだけ気配りをするように意識して身につけたものが、無意識下でさらりと垣間見える聡さ。


一連の流れに、仕草の一つひとつに、いつも細やかな配慮がにじんでいる。


そういう気配りの仕方に、ふいにはっとして、素敵だなあと思う。


聡い方だなあと思う。尊敬する。


私の好意は、初め憧れだった。


尊敬と憧憬が混じり合ううちに素敵なところをいくつも見つけて、そうして好きになった。


だから私の好きは、ふいに積もるんだろう。
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